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脱炭素&脱成長の魅力あるヴィジョンを提示しました

脱炭素社会のひとつのヴィジョン(1)|tachan123|note

脱成長&脱炭素時代のヴィジョン(2)|tachan123|note)

より転載。

 

(1)  世間が脱炭素とか、SDGsとか、急展開して新聞の紙面でこの文字を見ない日がないが、世間の人が実際に何をイメージしているかは不分明である。いや、多くの人はマスコミのあおる標語に踊るだけで、明確なイメージも、ヴィジョンも持っていない。

政治家にヴィジョンがあるかというと日本には少なくとも無く、経営者にも一握りしか、何かを想像して動いている人はいない。ソフトバンクの孫氏には、いろいろヴィジョンがあるようだが。

そこでわたしがひとつヴィジョンを提出してみよう。キーワードは自動車だ。私は、自動車がEVになるだけでなく、数も減り、脱自動車社会になることを夢見ている。自動車立国の日本には、難しい目標だ。

昨夜アムステルダムの紀行番組を見たが、市街地にほとんど車がおらず、皆自転車で移動していた。歩道には椅子が張り出し、皆談笑して飲み物を飲んでいた。ヨーロッパでは珍しくない風景だ。

自動車が減れば当然排出量は減る。EVにも発電のCO2排出があるので(再生エネ100%になるまでは)、車自体が減ることは、確実な温暖化の対策になる。 

前から都市の内部には車を入れないパークアンドライド(外縁に駐車し都市内は公共交通)のアイデアはささやかれてきた。電動スケーターが欧米では市道を走り、欧米では先進都市は、理想に近づいている。

私はここで、「増やす」「成長する」の代わりに「省く」「減らす」を鍵とする社会にするべきだといいたいのだ。これが確実で、おそらく唯一の、温暖化問題の出口だ。いま「脱成長」の言葉で数人の論客が語っているヴィジョンである。これはアメリカ型の経済学者には想像できない世界で、株主尊重や金融資本主義のモデルとまったく相容れないモデルだ。つまり理念の大変革をともなう話だ。資産運用で毎日スマホを見るサラリーマンには、受け入れがたい話だ。だから相当長い時間の、説得、啓蒙期間が必要だ。

そのためには、経営のスタイルを変えなければならないし、社会の根本理念も変えなければならない。今の日本の、勝ち組になり、大きく稼ぎ、セレブのように暮らすというような幼い人生モデルを捨て、人生にとって本当の幸せとは何か、ということまで考えなければならない。教訓童話のように、お金だけが幸せじゃない、と言わなくてはならない。

ベーシックインカムの話が出るのもここで、これはつまり、仕事の内容、成果と給与を分離しようということなのだ。ぶっちゃければ。小学校で、勉強のできる子もそうでない子も、給食の中身と量が一緒だ。それを社会でやろうという。(ある程度のインセンティブはよい。)

そんなことはいまの日本には100%不可能だと言われればそれまでだが、結局苦しみながら変わるしかないと思う。日本の中にも、革新の強い京都市民とか、新しい取り組みで再生した地方の村とか、点ではあるが、私のヴィジョンに近い場所も無くはない。

いま平気で道を主人公のように、ガソリン車が列をなし走り回っているが、あの光景はどう見ても脱炭素にまじめに取り組む先進国のものではない。無神経そのもの、誰も問題をまじめに考えていないと取られても仕方が無い。

先進国の排出で、この先途上国にどんどん悪影響が出るのは確実なのである。ぜひ皆さんも、ヴィジョンを持って、脱炭素に取り組んでもらいたい。

(2)  前回車のことを書いたが、(2)ではほかの事を書こう。脱成長&脱炭素世界では、何を人はするのだろう?

逆にいま人がしている活動で、炭素を多めに出しているものはなんだろう?

車での遠出は前回書いた。ほかに、たとえば冷房の効いた巨大空間でのパチンコ、ゲームセンター、ジェット機(タブーに近いが大変な排出量)での旅行、バイクツーリング、熱力源を回転させて出力をだすものはすべて。蒸気機関の系列にはいるものはすべて。ジット機は水素になる、あるいは大気圏外に出て排出を減らす、どちらも大分先・・・

仕事でも、鉄をつくるのはとてつもない排出をともなう。石油化学製品(悪役プラスチック、化学繊維も)、重化学工業の類。鉄を使わずに、建築はできるだろうか?できないものと、可能なものとあるだろう。設計の仕方で、変えることは可能だろう。鉄はいらないよ。可能だ。プラも化学繊維も考えてみればいらない。一枚の服を大事に着よう。

変化には10年かかるだろう。すぐにといわれたって、人はできない。でもやるはずだ。「良い方向」が人には見えるもんなんだ。そしてそれは、いまでも見えているから。